ナイスミドルになりたい

松本孝行が思っていること、考えたことなどを書きます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

正しい経営判断ってなんだろう?

先日知人と数人で飲みに行った。仲の良い人たちだし何らかのIT系の仕事をしているということもあって、結構気が合うということもあってずーっと仕事やプライベートの話をしていた。我々が飲む時はなぜか1次会の店に4時間くらい居座って二軒目に行かないパターンが多い(笑)

まぁそんなこんなで話をしていた時に、ふと知人が発した言葉が心に残っている。ある知人は大手のウェブ制作会社に勤めていて大きな会社の案件を結構たくさん受けている。それこそ誰もが知っているような会社の案件だ。しかしだからといって小さい案件もあるわけなのだが、小さい案件は会社のブランドや方針に合わないということで受けないそうだ。

ただ外部の知っているデザイナーやコーダーの人と協力すれば、仕事を受けることは出来るはずということで、なにかいい知恵はないか?というように頭を捻っていた。そこで子会社を作るというのはどうか?という話をした。つまり外部と協力して小さい案件を受けたり、本社で出来ない仕事をするための会社を作るというものだ。

今は会社を作るハードルは下がっているし、なんだったら共同出資もいいだろうと思った。しかし残念ながらその会社の社長はそういう方針ではないらしい。残念だなと思ったが、もう一人の知人が「大きな仕事をとっているから、あえて小さい仕事を取りに行かないというのは経営判断として当然だ」という発言をした。

別にその場でどうこうなったってことはないが、個人的に「ピタッ」と思考が止まった。自分の意見が否定されるとかそういうのはいいのだけれども、仕事が小さければそれを取りに行かないという経営判断は当然、といった点に引っかかった。そういう経営判断はあるだろうとは思うが、経営者として小さい仕事を取らないという判断は100%正しいのか?と思った。

今でもこれについては頭をめぐっているのだが、おそらくこれは私が商社にいたころの経験が残っていることが影響しているのだろうと思う。商社はリクルートと似ているところがあって、「こうした方がいいと思う」といえば、その意見が通りやすい。もちろんそれは人を動かすのではなく、自分がやるという前提付きでだ。

一度それで商社時代に新たな戦略として支社を中国・四国地方にも置くべきだと主張したことがある。その時に私が行ってもいいのでという前提で話をしたら、その翌月には親会社のオフィスを間借りする形で出張所のようなものが出来た。実際には営業ばかりだったから、そのオフィスを使ったのは1,2度だけだったが、自分の発言で仕事が動いた瞬間だった。

その時は関西の仕事をしていたから、大阪から見れば中国・四国地方の仕事はまぁ小さいものだ。シェアも小さければ、全体的な規模も小さい。そんなところにでも許可を出して出張させてくれたし、出張して実際に成果を出すこともできた。私はこの時に許可を出してくれた上司や社長には感謝している。

これ以外にも色々思い出があるが、自分でやりたいとかやるべきと思ったことを上司の人たちは許してくれた思い出がある。しかしそういう会社ばかりではないことは私もよくわかっている。しかし私の経験した中国・四国地方への進出というのは、はっきり言えばより小さい市場のシェアを奪いに行ったわけで、知人が「経営判断として正しい」といった社長の判断とは真逆なわけだ。だから、今までの経験と違う考えが当然と言われ「ピタッ」と考えが止まってしまったのだ。

個人的には100%なんていうものはないと思っているし、経営者の意思決定というのも正しい・正しくないの判断は簡単に下せないと思っている。そして100%正しい・間違いというのもないと思っている。しかし知人はすでに人を数名雇用している会社も経営しているから、私よりも経営判断を多く下してきている。その知人が言うのだから、正しいのではないか?とも思うのだ。

実際、知人が小さい仕事を外部のフリーランスと共同してやりたいというのであればやらせてあげたいと思いから発した言葉だったが、まさかこのように長く考えるようなきっかけになるとは思わなかった。知人が言ったように子会社を作らないというのは正しい経営判断なのだろうか、それとも作ってでも受けたほうが良いのだろうか。

いつかは答えが出るのだろうが、今はまだ「正しい経営判断とはなにか?」という問いがグルグルと頭のなかを回っている。