ナイスミドルになりたい

松本孝行が思っていること、考えたことなどを書きます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

生活保護のあるべき姿ってなんだろう

アゴラで「生活保護には抜け出すためのインセンティブがほとんどない」という投稿をしたのだが、コメントでツッコミをもらった。まぁ2000文字の制限ないで一面的に書くので、書けなかった部分が多いので当然の反応だろう。

今回のアゴラでの投稿は簡単にいえば「生活保護費を減らしたいって思ってるんだったら、抜け出そうとするインセンティブを政府は作れ」という話だ。今の現状では抜けださなくても働いてもほとんどインセンティブとしては同じという状況だ。

もちろんコメントで井上さんが言っていたように控除をしてくれる仕組みなどはあるが、そのインセンティブは強くはない。カルビーの会長さんが言っていたが「女性が活躍しないと嘆くなら、女性に月100万円支払ってみろ。そうすれば驚くほど優秀に働いてくれる」と。現在女性はパートが多く、月額報酬は少ない。そのためにあまり能力を発揮していないが、月に100万円もらえるというインセンティブがあれば、一気に能力を発揮するということだ。

実際にカルビーダイバーシティを推進している人の話だけあって、かなり納得の行く部分である。このようにインセンティブは大きくメリット・得をしないと動かない。たかだか月に1万円強の得をするくらいでは人間はなかなか動かないものだ。

 

さて、どうしてこういう話を書くことになったか?という背景を少し紹介するが、実は生活保護から抜け出したいという人に出会ったからだ。生活保護から抜け出したい、けれども自分は学もないから働ける場所が少ない、でも働いて自立したいと考えている人と出会ったのだ。

その時に私としては「がんばって!」と応援もするが、残念ながら「生活保護を抜けだしたほうが良いよ」とはっきりと言えないところがあるのだ。それが金銭的なメリットの部分だ。それはアゴラでも紹介したように、最低賃金の場合は生活保護を抜け出す金銭的なメリットがない。支援するにしても、自立をしたほうが大きく得をしないかぎりは、迂闊に支援しづらい。

もちろんこういう働くことで自立し、自尊心を得るということも大きいだろう。しかし自尊心を得られると同時に損をするというのはどういうことなのだろうか。働いて自尊心も得られて、かつ金銭的にもメリットが大きい、だから働いたほうがいいというようになるべきではないのだろうか。

健常者の方からも「生活保護は甘え過ぎ」という話をよく聞く。この気持ちもよく分かる。必死こいて仕事をしているのに、稼げるお金は大して多くはない。しかし働いていないのにどうしてお金をもらえるのか?と憤りを感じる気持ちもよく分かる。それは働いている人への敬意が少ないと感じているのではなかろうか。金銭的なメリットの部分を見ても、やはり国の制度設計としては労働者への敬意は少ないようにも思う。

 

もう一つ、指摘されていたことだが生活保護のほとんどは高齢者、障害者、傷病者、母子家庭となっているので働くことなんてできないという指摘だ。確かにこれは半分正解なのだが、半分は間違っている。なぜなら働ける人も多くいるからだ。

例えば私は障害者の就労支援をしているが、日本にいる障害者で雇用されている数は40万人を超えている。障害者=生活保護で生活するしかないというわけではない。障害が軽い人であればフルタイムでも働くことができる。うつ病になって障害者担ったが、寛解してフルタイムで働くということもできるだろう。

母子家庭も同じだ。母子家庭の8割が働いていると言われている日本で、母子家庭が働けないというのは間違っている。高齢者も同じで65歳以上の労働者人口は250万人以上いるとされている。高齢者イコール働けないと一律に考えるのも間違いであり、働ける人には少しでも働いてもらうほうがいいだろう。

日本でどうしても生活保護になってしまう理由の一つは障害者や母子家庭、高齢者を受け入れて働いてもらうための体制が弱いからだ。フルタイムかパートタイム、もしくは派遣くらいしか働き方がない。最近はノマドなどの自営業、テレワークなども増えてきており、働き方が多様化している。それにともなってマネジメントも多様化しなければいけないが、まだまだ端緒についたばかりだ。

結局こういう人たちが生活保護に行くというのは、別に望んでいっているわけではなく、自分たちが生活するために働くという選択肢を選べない日本の労働環境も大きく影響しているというわけだ。この点はアゴラでは指摘していないので、まぁ突っ込まれても仕方ないなと思っている。

 

生活保護のあるべき姿と言うのはどういうものだろうか?単純な質問をしよう。

  1. 日本において生活保護受給者は多いほうがいいのだろうか、少ないほうがいいのだろうか。
  2. あなたは仕事をしてお金を得て生活をしたいか、生活保護をもらって生活をしたいか。

この二つの質問について、皆さんはどう思うだろうか?私は日本において生活保護受給をする人は少ないほうがいいと思うし、自分も生活保護をもらって生活するのではなく、仕事で自分の糧を得たいと思う。それは障害者でも高齢者であっても、同じ気持ではないか?と思うのだ。だからこそ、労働のための強いインセンティブが必要だと考えて、今回の投稿をおこなったというわけだ。