ナイスミドルになりたい

松本孝行が思っていること、考えたことなどを書きます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

【感想文】江戸ってクソみたいな時代だったんだね

 山県大弐という人を知ってるだろうか?私は知らなかったのだが、尊敬する島地勝彦さんが紹介していたので読んでみた。昔からすごい人というのは一定数いたわけだが、すごすぎると世間が理解できず、爪弾きにされるのは今も昔も同じだ。

明治維新を創った男 山縣大貮伝

明治維新を創った男 山縣大貮伝

 

 山県大弐はまだまだ徳川武家政権が安定していた頃に、尊皇攘夷の元となる考え方を唱えた人だ。武家に生まれたが、そこから「日本という国の本質は何か?」を考えた結果、天皇を頂点とした国体こそが日本の本質である、と考えたわけだ。

とは言えこの人が生きた時代は残念ながら武家社会だ。武士が一番偉いという時代だったので、この考え方は謀反を起こすものとして捉えられ、最終的には死罪になってしまう。で、その数十年後には明治維新の元となる吉田松陰などが出てくるわけだから、何十年も前から先見の明があったわけだ。

江戸時代がいい時代?んなわきゃない

まぁ詳しい山県大弐についてはぜひこの本を読んでほしいのだが、それよりなにより腹立つのが江戸という時代だな。江戸しぐさなんかが、まるで江戸時代はすごいいい時代だった、と言わんばかりの主張をしているが、この本を読む限りではまったくいい時代には思えない。

まずそもそもこの山県大弐の死罪、法的根拠がないのももちろん江戸幕府のメンツのために決められたようなものだ。同じように捕まった周りの人たちが次々に無罪になっていくなか、最終的に死罪になるという意味がわからない。色々理由はつけられたらしいが、それを読んでもまったく納得はできない。加えて謀反の疑いについての罪は結果的に判決に出ていなかった。

メンツのために殺されたらたまったもんじゃない。そんな徳川幕府の顔色や武士の顔色を見ながら生きなければいけなかった。まぁ今で言えば中国共産党みたいなものか。

もう一つ、自由がなさすぎる。徳川幕府を批判すればもちろん罰せられるし、何よりも「武家出身だから」とかで武家の家を潰さないように必死に守ろうとして、自分の好きなことが出来ないでいるのだ。武家の家だから武士に、農民や商人として生きるということができなかった。

税金だって4割を納めないといけなかったのだけど(四公六民)、代官によっては5割6割を納めないとダメだったりと、農民は抑圧されていた。だから一揆だとか騒動が起こるわけだ。この辺も中国共産党一党独裁体制によく似てるよね。

多様性を認めることが先を見通すことに

こういう才能のある人が死んでしまったということや、牢に入れられたり様々な書物を焼かざるを得なかったりするのを見ると、つくづく江戸というのは変な時代だったのだなと思う。多分、今の昭和・平成の時代も後の人から見れば「変な時代」と思われるのだろう。

ただ、江戸時代だろうと現代であろうと未来であろうと、多様性を認めることは重要であると思う。山県大弐という才能を見抜けなかったとしても、そういう人を処罰するのではなく、理解しよう・認めようと努力していれば、日本の未来も幾分変わっていったかもしれない。

現代でもいろいろな人がいて、人の才能なんて私も見抜けない。でも見抜けないからといって自分の知っている範囲内だけで考えず、可能性や多様性を認めていきたいと思うのだ。特に人に教える事が多いだけに、肝に銘じておきたい。