ナイスミドルになりたい

松本孝行が思っていること、考えたことなどを書きます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

バニラ・エア タラップ這いずり事案は障害者差別の問題ではない

バニラ・エアに関する報道が話題ですな。いろいろな人が発言をしているが、障害者である乙武さんがアゴラで書かれているので、そちらをリンクしておく。

agora-web.jp

私は乙武さんの意見には反対で「それなら事前連絡をしてストレッチャーを購入するように言えばいい」と思うわけだ。バニラ・エアも問題発覚後に必要と思って購入しているわけだから、事前に連絡をして抗議していればよかった。そこでバニラ・エアが購入を渋れば世間はバニラ・エアの怠慢をバッシングしただろう。しかしあえて強行して乗る、しかも事前連絡なしに乗れば反対意見が多く出て当然だ。

もしかするとそれが狙いだったのかもしれないが。

黒人差別の問題と一緒にしてはいけない

今回の問題でネット民の中には黒人差別の問題と同じように語ろうとしている人がいるが、それ不適切なのでやめておいたほうがいい。黒人差別で白人の座る席に座ったとして、バスを降りるように強要されたローザ・パークスという女性がいるが、それとはまったくレイヤーの違う問題だ。

黒人差別の当初は黒人と白人がはっきりと分けられていた。ローザ・パークスも降車を強要されたわけだ。世間的な空気も白人はこの差別を当たり前のように捉えていた。

しかし今はまったく空気も違えば法律も違う。加えて今回の事件は「前もって連絡をしているかどうか」が大きなポイントだ。前もって連絡をしていれば、その対処を航空会社もできたし、しっかりとした解答もできただろう。しかしその連絡を怠ったことが騒ぎを大きくしている。

例えば乙武さんも書かれているが新しい機体を購入しろとか、車椅子でもそのまま乗降できる仕組みにしろとか、そういうのは合理的配慮から外れるだろう。しかしストレッチャーを用意しておけば済むのであれば、先にそれを連絡しておけば済む話だった。なぜその一手間を省略する必要があったのか。

もし特別支援学校が事前連絡なしに利用したら?

一つ例として取り上げたいのだが、今回は木島さんという人が一人だけだったようだ。しかし奄美大島に特別支援学校の13歳~18歳までの子どもたち、50人が旅行に行くのに、事前に障害について連絡していないとしたらどうだっただろうか?今回のように擁護できるだろうか。

例えば木島さんのように足が不自由な生徒が10人以上いて、発達障害や知的障害の子どもたちがいた場合、事前に連絡しないという状況は適切だろうか?複数の障害を持つ人達に、CAの方々は全員滞りなくサービスをすることができるだろうか?また万が一の緊急時に、彼らを安全に避難させることができるだろうか?

明らかにそれは難しい。同じようにサービスはできないし、万が一の際に避難が非常に難しくなるだろう。ただ、事前に連絡をしていれば話は別だ。バニラ・エアであってもJALANAであってもそうだが、ちゃんと対策を取ることはできる。事前に協議しておけば、滞りなく旅行できる可能性もあるのだ。

しかしまったく何も言わずに事前連絡なしに飛行機に乗れば、それは子どもたちにとってはいい思い出にはならないだろう

なぜ朝日新聞は中立に報道しなかったのか

もう一つ、なぜ朝日新聞はこのような報道をしたのか?それも大きな問題だ。もちろん朝日新聞としての立場があり、報道したい方向性というのがあるかとは思う。それならば中立ではないとはっきりと立場を明らかにした上で報道をするようにして欲しい。

今回の報道ではただ単にバニラ・エアが悪いようにしか映らない記事でしかない。バニラ・エア側の問題もあるだろうが、なぜこのような状態になっているのか?過去はどういう対応だったのか?世界はどうなっているのか?など、様々な観点から報道をすべきだ。

特に今回の記事は事件が起こってからかなり時間が経ってから記事になっていることを考えれば、もっと深い報道ができたはずだ。それをしなかった、というのであれば朝日新聞は何らかの意図があってこの記事を作ったと穿った見方をしてしまう。

今回の事案はどちらかというこの朝日新聞の報道姿勢も問われるのではないだろうか。

 

なにわ友あれ赤井英和、今回の一件は障害者差別の問題ではなく「事前連絡をするかどうか」と「マスコミの中立性」問題だ。今後はマスコミの報道を疑う気持ちを持つことが大事だし、何事も事前連絡をすることでトラブルを回避できるということを我々は肝に銘じたほうがいいということだろう。