ナイスミドルになりたい

松本孝行が思っていること、考えたことなどを書きます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

保育士だけではない!給料が上げられない職種はたくさんある

news.yahoo.co.jp

堀江さんならではの炎上芸というか、炎上させながら保育業界に多くの人の興味をもたせることに成功したと言ったところか。保育士の給与が上がらないのは誰でもできる仕事だから、というTweetが炎上して、実際に保育所を運営している駒崎さんからツッコミが来た。

保育士の業界はまさにこういうことで、いわゆるサービスに対してお金を取れる金額が決まっている。多くの人、貧困家庭でもサービスを利用できるようにした制度だからある程度仕方ないのだが、こういった業種は他にもある。

介護や障害者福祉の給与が低いのも同じような理由

例えば介護や障害者施設などについても、同じような理由から給与が低いといえる。介護も介護保険が使える金額というのが決まっているため、高い金額をとることができない。例えばデイサービスならいくら、訪問介護ならいくら、と決まっているのだ。

私も手伝いをしている障害者福祉事業も同じなのだが、それを例に取ろう。就労支援を行っているので、就労継続A型を基準に考えたい。

A型事業の場合、利用者一人あたり584単位が基本部分として決まっている。大阪市の場合、1単位の金額が10.89円となっているので、584単位の場合6,359円となる。これが1日の金額となるわけだが、ここからA型の人件費、就労支援員の人件費、家賃、水光熱費、雑費などが差し引かれることになる。

もちろんここから加算を狙うこともできる。施設外就労であるとか、食事、送迎などで加算も可能だが、その分そのための人件費もかかってくる。結果的に、売上をあげようとして効率化するのがなかなか難しいのだ。

「バンバン利用者を増やして、人件費を削ってということをすれば企業としては利益を出せるじゃないか、効率化できるじゃないか」そう思う人も多いだろう。しかし利用者の店員を増やせば584単位が416単位まで減るし、1人の支援員に対して10人の利用者を超えるとマイナスになるのだ。

結果的に売上にキャップがつけられており、それ以上にはならない。となるともちろん人件費も決まってくるし、使える経費も決まってくるから幅広い告知や支援体制を拡充することも難しい。国によって「この範囲内でやれ」と決められてしまっているのだ。

メリットもあるから継続されている

なんでこんなマイナスばかりの制度なんだ?と思うかもしれないけれども、実はこれはメリットもある。一つが景気変動を受けにくいことだ。景気が悪くなったとしても、この単位数などがすぐに変わることはないし、給与をガンと下げる必要もない。国から売上がある程度見込めるからだ。

なので安定感という意味では準公務員並みと言えるだろう。

もう一つのメリットがどんな人でも利用できるという点だ。駒崎さんも書いているが保育所は低所得の人でも使えるように、支払いの金額と補助金の割合が決まっている。もし今の仕組みでなければ、利用者負担が10割になるわけで、お金持ち以外は使えなくなってしまう。

障害者福祉も同じで、国から支払われている1万円弱の金額を毎回利用者が支払えるのか?というとそれは不可能だ。多くの障害を持つ人に利用してもらうためにも、この仕組みは非常に役立っているわけだ。

今、最低賃金がどんどん上がっているが、福祉系の国・自治体から売上キャップが決められている業種では利益が圧迫されている。最低賃金を上げるのはいいが、その分補助金も上げてもらわなければ、立ち行かなくなる施設も多く出てくるだろう。

日本は自由主義ではあるが、実は自由経済以外で生きている人が非常に多い国でもあるのだ。