ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

結局、エンジニアの収入にアメリカと日本で格差がある理由は?

はてブやらTwitterやらで多くの人がシェアしてくれたおかげもあり、PVが1万以上になった。1記事でそんなにPVが増えたのは、この個人ブログだと初めてじゃないかな。本当はマンガのまとめとかの方を読んでもらった方が嬉しかったりするんだけど(笑)

t-matsumoto.hatenablog.com

で、幾つか書いたけれども私の中での仮説は間違っていた可能性が高い。私個人としては「日本はSE・PGと言った現場作業がメイン、アメリカはPMやコンサルタントなどプロジェクト設計などの上流がメイン。だから収入に差が出る」と思っていた。

しかしいろいろな資料などを読むと、単純なプログラマーシステムエンジニアでも日本よりも高い収入を得ていることがわかった。なので違う職種で比べてるから年収に差があるのでは?という私の考えは正しいとはいえない。

ではどういった理由が考えられるだろうか?幾つか仮説を考えてみた。

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仮説1:プロジェクトの規模が違う

一つ目がプロジェクトの規模だ。当たり前の話ではあるが、給料を支払うためにはお金が必要だ。ITサービスを提供して、売上を上げる。売上の大きさによって給料もできることも変わってくる。

例えば月間500万円の売上で10人の従業員がいれば、一人あたりの売上は50万円となる。IT系は仕入れがないので人件費が60~70%ほどかかると考えて、一人あたりの給与は30万円強となる。

この売上の規模がアメリカの場合は圧倒的に大きく、それが給与に反映している可能性が高い。例えばGoogleの売上高は2017年4~6月期で260億1000万ドルとなっている。3ヶ月でコレだけの金額を稼ぐので、4倍するとだいたい1000億ドル超、日本円に換算すれば10兆円以上の金額を稼ぐ巨大企業があるのだ。

www.itmedia.co.jp

一方の日本のIT業界はというと、6兆4178億円と言う規模だ。アメリカだとGoogle一社が稼ぎ出す金額の半分くらいが日本のIT業界の規模になっている。アメリカと同じだけの給料を出せとエンジニアが言ったところで、この規模感の違いを考えれば無理なことがわかるだろう。

gyokai-search.com

ちなみに私は英語が苦手なのではっきりしなかったが、下記のリンクの中に「北米は2018年に150兆円のIT系支出を行う予測」という話が出てきている。150兆円と言うと日本のIT業界規模の20倍以上だ。それだけの金がアメリカのIT系には流れている。

www.comptia.org

仮説2:職種は同じでも仕事内容が違う

2つ目の仮説は職種は同じであっても行っている仕事内容が違うのではないか?というものだ。プログラマーと一口に言っても、単に仕様書通りにプログラミングをしているのか、上流工程にも参加しながらプログラミングをしているのか、一人で完成までこなしているのか、それは資料ではわからない。

単純なコーディングであれば、オフショアでアメリカからインドに流れることも多いため、単なるコーディング作業だけをプログラマーシステムエンジニアが行っているとも思えない。それ以上の付加価値を提供している可能性が高い。

プロジェクトマネージャーの補助的な役割をしていたり、自分はSEだけれどもPMもやるというような人も多くいるのではなかろうか。下記、リクナビに乗っていたファーウェイの新卒求人だが、この内容を見る限りでは一般的なSEなどよりも高いレベル・付加価値が求められているように思える。

job.rikunabi.com

仮説3:雇用環境が違う

最後の一つは大前さんも語っていた、日本の終身雇用とアメリカの成果主義との違いについてだ。日本は終身雇用なので、どんなに実力のある人でも報酬は低めに設定され、年数を重ねていけばその低めの報酬を補うように給料が上がっていく。大してアメリカは仕事に値段がついていて、その仕事を行う人の属性は問わない。

もちろん仕事のレベルが高いものは属性は問わないまでも、修士卒のレベルが必要だったりする。ここで言う属性と言うのは性別や国籍、年齢などのことだ。それ以外の実力や業務上のコミュニケーションができれば、問題なく仕事は任されるだろう。

もう一つご指摘を受けたのがSIerの下請構造についてだ。人材を常駐派遣する場合、たくさんの中抜きが発生する。例えば私の知人のところは月額100万円を超える金額で派遣するが、実際に本人に渡す金額は70万円かそれ以下くらいになる。このIT業界の多重請負構造が年収を下げている可能性も高い。

労働者は個別最適を目指すべき

「アメリカ・中国へ行って働くのが最も収入が高くなる」というと「そんな元も子もない事言うな」と指摘を受けたが、我々が考えるべきは全体最適ではない。いかに自分が納得する仕事・報酬を得るか、個別最適こそ目指すべき方向だ。これは誰がなんと言おうが絶対的に正しい。

「日本のエンジニア環境を~」とか「エンジニアの底上げを~」なんて言うのを考えるべきではない。考えるのであれば、政治家になったり自分で事業を立ち上げればいい。一エンジニアとして生きていくのであれば、自分自身の個別最適を目指さなければならないだろう。

仮説を3つ並べたが、どれが正しいかはわからない。正しいかどうかは分からないが真実があるとすれば、日本のIT系人材の報酬が上がる可能性は低い。高い報酬がほしければ中国・アメリカへ行くべき、ということだ。