ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

目で見て盗めを否定すると、損をするのは「できない人たち」

職人さんの教育方法として、昔から行われていたのが「目で見て盗む」だ。つまり直接的に職人さんは教えないし、職人さんのやっていることを見て自主的に練習して、そうして技術を身につける。

おそらく職人さんの後継者がいないので、そういう古いやり方をやめてしっかり教えるべきだということなのだろう。時代の流れではあるけれども、確かに8割くらいは賛成だ。

とはいえ、すべてがすべて「目で見て盗め」を否定すると、損をするのは教えられる側だ。とりわけ教えられたけれどもうまく行かなかった人はすごく損をする。

「丁寧に教えてくれなかったから」という言い訳

私も短大や施設で教える側として働いているのだが、教えるときには丁寧に教えるようにしている。できるだけわかりやすく、そしてやる気を盛り上げてモチベーションを維持させながら学べるようにしているつもりだ。

もちろんそれでもなかなか伝わらないことも多い。パソコンなどは苦手な人も多いので、どうしてもできないという人はいる。どんなに丁寧に教えても、個別で時間もお金もいくらでもかけられるならいいが、そんな現場はない。限られた時間やツール・労力・人員で教えないと行けない。

しかし丁寧に教えてうまくいかない場合、それは教えられる側の逃げ道を塞いでいるなということに気づいた。丁寧に教えられていながらできない場合、それは「教えてもらっている自分の才能がないんだ。能力がないんだ」と考えてしまうのだ。それは当然だろう、丁寧に教えてくれているのにもかかわらず、できないのだから。

もしこれが「見て盗め」という教育方針だったらどうだろうか。「見て盗め」ができない場合は「ちゃんと教えてもらわなかったから、できなかったんだ」という理由付けができる。つまり自分自身を責めなくても済むのだ。逆に言えば丁寧に教えるというのは、できない人たちを責めるとも言える。

できる人には丁寧に教えるのは無駄

できない人にしてみれば丁寧に教えるのはその人を追い詰めることになるが、逆によくできる優秀な人はどうだろうか?できる人にしてみれば、懇切丁寧に教えてもらうよりも、まずは見て盗んであとは自分で自主的に試してみてうまくいく方法を見つける、ということができる。

丁寧に教えてもらう時間のほうが退屈に思えたり、無駄に思えたりするだろう。最近では大学の授業など、ネットで見られるようになっている。そのため、優秀な人達にしてみると「大学に行くのは無駄」とよく主張するのを見る。動画を1時間見るより、文字起こしを10分で読んだほうがいい、などというのもよく聞く。

できる人にしてみれば、効率的に情報を収集できる方が良い。丁寧に教えるというのは時間がかかるものだし、人数が多くなると横並びにならざるを得ない。中央値の人に合わせた教育は中間層には良いが、できる人にとってみれば苦痛でしかないのではなかろうか。

教える側の負担も考えてほしい

もう一つ、教える側の負担についても考えたほうがいい。教える側も丁寧に教える場合はマンツーマンになって、自分の時間を削りつつ教えることになる。そしてわかるように、手取り足取り、言い方もいろいろな角度で言い方を替えたり、見せたり、やって褒めたりと工夫しなければいけない。

逆に見て盗めであればそういった苦労はゼロだ。全く苦労せずにどんどん伸びてくれるので、教える側は楽だ。教えていると言えるかはわからないが。

その中間が集団での教育だが、集団教育の場合はどうしても落ちこぼれる人が出てくる。できる人にしてみれば退屈だし、出来ない人にしてみれば苦痛だ。中間層の人にとって見ればちょうどいいのだろうが。

丁寧に教えられる余裕があるなら教えるだろうが、いつでも365日24時間余裕があるわけじゃない。教えてくれる人もまた人間なのだから、教えてもらう側は教える側の負担も頭に入れておいてほしい。

レベルに教え方が必要かもしれない

見て盗めが通じる人は一般的にセンス・才能・能力がある人なのは間違いない。逆に言えばそれができない人のほうが大多数で、中間層は丁寧に教えてもらうのが良い。ただ、できない人・能力の低い人にしてみれば、丁寧に教えてもらうのもまた逃げ道を塞いでしまう。

できる人には効率的に無駄を省いた教え方を、中間層には丁寧に教えて、できない人にはまた別のやり方が必要だろう。レベルごとに分けた教えた方が必要ではなかろうか。できる人たちだけ集まり、効率的に学び、中間層だけを集めて丁寧に教える。そしてできない人には個別のやり方を考えつつ教える。

そういう教育が必要なのかもしれない。

スペックの低いPCしか使えないのは優秀じゃないから

t-matsumoto.hatenablog.com

エンジニアに低スペックPCが支給される問題について、エンジニアが上司を説得するのはムダだからどんどん転職すべきっていう意見は半分賛成なんだが、半分反対なところがある。まぁ下記のツイートの通りなんだけど、結局どこに言ったってより良い職場にするためには会社や上司を説得する必要はあるわけだ。GAFAだって、何も言わずにすべて満足できるわけじゃないだろう。

 で、私はエンジニアではなくウェブマーケターであり、営業・ディレクションあたりをメインでやってきたので、そっちからの話をすると、こういう話は他の職種でもよくあることだ。

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営業マンは成績によって差別される

例えばよくある営業成績が張り出されるような企業だとわかりやすい。例えば成績の悪い営業マンには「足で稼げ!」と言われて徒歩で回ることを強要されるが、成績がトップの営業マンはタクシーを使うことも許されるし、キャバクラの接待なども許されたりする。

営業マンにとって移動というのはすごく重要なのだが、その移動コストを成績によって制限されてしまう。これはグローバル企業の社長、最近だとゴーンさんもそうだしジャック・ウェルチなどもそうだが、プライベートジェットで移動できるように、優秀な人ほど移動にコストをかけられるわけだ。

逆に言えば移動にコストがかけられない企業も多く、営業マンはシェアカーを使う、徒歩・電車だけ使えるというようなこともある。保険会社などは自転車で回るということもよく聞く。営業マンの場合、優秀=売上が多いなので、売上を多く上げる会社・営業マンほどコストをかけられる

日本のIT企業をGAFAと比べてはだめ

日本のIT企業、SIerのトップはNTTデータだ。NTTデータの売上高は2017年、2兆1171億円となっている業績・財務ハイライト | NTTデータ。ではGAFAはどうだろうか?きっかけになった方はNTT研究所からGoogleで比較してみると、2017年は約12.2兆円となっている2017年のアルファベットの売上が1,109億ドル(約12.2兆円)を記録─2017年Q4の決算報告から

日本が国としてもバックアップしているNTTデータの6倍近い売上高をGoogleは記録している。NTTグループ全体で約12兆円だそうなので、Google1社に対してNTTグループ全体でやっと追いつくくらいだ(数字で見るNTTグループ)。

では従業員数とNTTデータは約12万人、Googleは85,050人だそうだ。各々「NTTデータ 従業員数」「Google 従業員数」で検索してもらうと出てくる。従業員一人あたり売上高はNTTデータは17,642,500円、Googleは143,445,032円となっている。一人あたり売上高1700万円もすごいが、Googleは1億4300万円も売り上げている

これだけの差があるのだから、当たり前なのだけれどもGoogleと同じだけの待遇をNTTデータで求められるわけがない。売上高だけで比較すれば10分の1の待遇でもおかしくはない。日本でトップのNTTデータでこれなのだから、それ以外の企業や中堅・中小企業ならなおさらだ。

スペックが先か売上が先か

とは言え「スペックが先か売上が先か」という問題もあるだろう。スペックさえ良いものにすれば売上がどんどん上がるという可能性もあるし、売上が低いからスペックを上げられないということもある。これはどちらが優先されるべきかはなかなか難しい。

ただ、従業員側から考えると、スペックの高いPCを用意してもらったら、その分の売上や利益に貢献しないといけないプレッシャーが出てくる。例えばGAFAで働くエンジニアと同じだけのスペック・待遇にしたときに自分が同じだけのパフォーマンスを上げられるだろうか?もちろんビジネスモデルも違うので、簡単には比較できないが雇用主や上司からのプレッシャーは開発環境が良くなるたびにかかってくるのは間違いない。

結局のところ、やっぱりタイトルの通りでスペックの高いPCを与えられたらそれだけ高いパフォーマンスを求められるわけで、そのプレッシャーに耐えられる優秀な人だけがスペックの高いPCを与えられるのだろう。営業マンも同じでキャバクラの接待費やタクシー移動などを許す代わりに、高い成績を求められるプレッシャーがのしかかる。

優秀に慣れば自然と良いPCが与えられ、求められるレベルも高くなるのだから、よい職場環境を作りたいなら自分が成績を残せる人材になるのが最もてっとり早いような気もする。

低スペックのPCが支給されるのは、エンジニアの効率が売上に関係しないから

 スペックの低いPCを割り当てるとエンジニアが逃げる、というのはまぁ開発環境・働く環境が悪ければ逃げるのは当然のこと。なので、非エンジニアの人がパソコンのスペックを気にせず、安いものやエントリーモデルのようなものを買ってしまって、話が通じないみたいなこと、確かにあるだろうなぁと思う。

ただ、パソコンのスペックが高いものを買う理由ってなんなの?いや、開発効率が上がるっていうのはわかるんだよ。でもね、開発効率が上がることで売上が上がるの?コストが下がるの?っていうところが経営側からすれば重要だ。

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8時間→6時間でも給与は変わらない

例えばだけど、スペックの低いPCを使うことで8時間開発にかかっていたとしよう。それがSSDやメモリを8GB・16GBにするという2万円くらいのコストで、6時間に短縮できるとする。エンジニアからしたらありがたい話だ。

ただ、経営側からしたら、全然投資しようと思わないだろう。なぜなら8時間で生み出す成果を6時間で生み出したところで、8時間分の人件費を払わないといけないからだ。もちろんさらに2時間分、他の仕事を前倒しできるならプラスだが必ずしも仕事が毎回降ってくるわけではないだろう。

SIerは特にそうだが請負や派遣など、固定給+残業代で支払っている。残業がひどく、それがPCのスペックのせいなら買い替えも検討されるだろうが、残業がそれほどでもなく、固定給の中で勉強する時間も確保できているのであれば、経営側としてさらに良いスペックのPCを買う理由はない。

開発環境の良さがエンジニアの開発効率やストレスフリーには直結しているが、売上増やコスト減に直結していないのではないかろうか。そもそもだが、低スペックPCに対して文句を言っている方々はスペックの高いPCにしたらどうなるというのか?単に自分がイライラしない環境で働きたいだけで、会社に対してより貢献したいからというわけではなかろう。

そういう部分が見えないように、上司に掛け合う必要がある。ちゃんと会社のためになるんだよ~というように。

GAFAが高スペックPCを用意できるのは当たり前

kumagi.hatenablog.com

こちらのブログではNTT研究所からGoogleに移った、非常に優秀な方だが、Googleが良いスペックのPCを与えるのは当然だし、NTT研究所があまりスペックを気にしないのも当然とも言える。

GAFAすべてに言えることだが、開発環境がよく開発効率が上がればそれは自社の売上・利益に直結する。検索エンジンの能力が向上すれば、AdWordsの出稿も増えるだろう。Facebookのタイムライン開発が早くなれば、Facebook広告やFacebookの個人属性を販売などが早く、前倒しで売上につながる。

一方のNTT研究所は裁量労働制だったそうだ。ということは、いくら働かせても同じだし、たとえスペックの良いPCを与えて開発効率が上がったとしても、支払う人件費は変わらない。支払う人件費は変わらないのにPCのコストだけ上がるのであれば、意味がない。ましてや研究がメインの部署では、売上に直結しないので難しいといえるだろう。

この転職された方は正解だし、NTT研究所も別に間違ったことをしているわけではない。そしてNTT研究所から転職された方は優秀だろうから、Google検索エンジン改良をハイスペックPCで行い、よりGoogleに貢献することができるだろう。

中小・零細企業の考え方が蔓延している

とまぁ否定的なことを書いてきているのだが、実際この考え方というのは中小企業や零細企業のおっちゃんの考え方だ。PL脳と言ってもいいが、売上につながれば何やってもいいし、売上が上がるならどんなことでもする。ただ、売上につながらないならやらないという極々単純な考えなのだ。

これを大企業、ましてや日本で一番のNTTが中小企業や零細企業と同じように考えているとすれば、ため息しかでない。規模が小さい企業は私の会社も含めて必死だ。1ヶ月資金が入らないだけで死んでしまうところもある。しかしNTTはそうではない、国も資金援助してくれるほど大きなところだ。

であれば、もっと大所高所から語るべき企業であるべきだろう。GAFAはまさに大所高所から語り、そしてPCのスペックや働く人の環境を改善することで、自社の利益も改善するというスキームを作り出した。日本のトップ企業であるNTTがそれができないのであれば、日本はもう終わりだろう。

AbemaTVで藤田さんがZOZOの田端さんに対して「稼いでいるんだから給料上げましょうよ」と言っていたが、同じようなことが言える。稼いでいる、規模が大きいのだからもっと大所高所から見て経営しましょうよ、と。コストパフォーマンスを言うのは中小企業で十分だ。

袖振り合うも多生の縁、クラウドファンディング応援します

faavo.jp

毎回大阪でのイベントで司会をさせてもらっている、さぶみっと!ヨクスル。大阪だけでなく、様々な地域で行われていて、私は大阪でしかやったことがないのだけれども、なんとなく他の地域でも頑張っている人は応援したくなるもの。

私もクラウドファンディングはやっているけれども、実際のところお金というよりも仲間探しのほうが大きい。発達障害やグレーゾーンの方々でも、プログラミングを学ぶことで、自信を持って生きることができるようになってほしい。そのために一緒に活動してくれる・手伝ってくれる・意思をともに持ってくれる方が多ければいいのだ。

www.makuake.com

今回、さぶみっと!ヨクスルの香川でプレゼンテーションをされた方は、小豆島で移動公園を作りたいという夢があるようだ。バスケットに関わってきた方で、バスケットゴールやその他いろいろな道具を車に詰めて、広場に持っていく。そうすれば、多くの子どもが遊べる公園が手軽にできる、というわけだ。

大変面白い試みだと思うし、なにより公園が6箇所しか小豆島には無いというのはちょっとさみしい。もっと子どもたちが楽しく遊べるところが多ければいいというのは私も思うところなので、シェアして応援したい。

ぜひ小豆島に関わる人や香川の人、バスケット関係者や子どもを支援している方々など、シェアしていただければと思う。

faavo.jp

重かったパソコンがWindows Updateのクリーンアップしたら、サクサク動くようになった

ここ最近、ASUSのモバイルPCが遅かった。起動してから10分くらいしないとログインできなかったり、BIOS画面に自動的に飛ぶなど、「6年は使ってるから、さすがにもうダメかなぁ」と思ってた。

まぁダメ元でとりあえずいろいろやってみました。「Windows10 高速化」「Windows10 ディスク100%」など、いろいろ調べて実行したのですが、なかなか良くならず…

で、いろんなことをやったけれども、その中で効果的だったのがディスクのクリーンアップだった。Cドライブのプロパティからディスクのクリーンアップができるのだが、どうもWindows Updateのファイルが6GBほど残っていた。これが何なのかはよくわからないが。

でも、これのおかげで早くなったのは間違いない。今のところおかしなこともないので、とりあえずこれであと1年はこのモバイルPCが使えそうです(笑)次買うなら、この辺のタブレット的にも使えるのがいいかな、打ち合わせで画面共有するときに便利そうだし。 

 

SNSをやっていない人にSNSを勧めるべきか?

www.mbs1179.com

私の好きな芸人、メッセンジャーのあいはらさんがいつも野球のオフシーズンに行っている番組。今回のメンバーもなかなか面白かった。あまり知られていないネイビーズアフロはそれぞれ月収39万円、41万円ももらっているそうだ。くやしい(笑)

さて、この番組内でSNSをやっていないあいはらさんにネイビーズアフロSNSの良さを伝えるということをしていたが、あいはらさんはSNSをやらない。「今どきSNSやらないなんて」と思う反面、やるべきなのか?やるように勧めるのが正しいのか?とふと思った。

パソコンが必要ない経団連会長

先日かなりネット上で盛り上がったのが、経団連会長が今まで執務室にパソコンを置いていなかったという話だ。新たに中西会長が就任し、初めてパソコンが執務室に置かれ、職務指示のメールが送られたという。

www.asahi.com

今までパソコンがなくてもやってこれたわけだが、経団連会長であればパソコンくらい流行っていてほしいものだ。経済を引っ張っていくリーダーだし、デジタルなしで経済は成り立たない時代だ。現在の状況をパソコンやスマートフォンを通して、操作を経験しつつ、今後の経済発展を考えるのは大事な仕事だろう。

ただ、経団連会長ではなく、一個人として考えればどうだろうか?今までパソコン無しでやってきて、それでも十分仕事ができて、さらに何千万円も報酬がもらえる立場につくことができた。部下が何でもやってくれるし、指示するだけでいい。そんな状況であえて新しくパソコンを持とうとする必要があるのだろうか。

固定ファンがいればSNSはいらない

あいはらさんの場合もこの経団連会長の話に近いものがある。メッセンジャーも50歳近くになって、かなりのファンがいる。おっさんがメインのファンではあるが、そのおっさんたちは固定客だ。SNSをやらなくても、ラジオ・テレビ・舞台・雑誌で情報を得て、あいはらさんのイベントに行くし番組も見る。

結局、こういう固定のファンを掴んですでに他のメディアである程度宣伝でき、それでタワーマンションに住める程度の収入は得られているわけだ。そこからさらに「SNSやりましょうよ」と言われても、SNSをやる理由がないだろう。さらに収入を増やしたいというのであればともかく、今の安定を崩してまで新しいことを覚える理由もない。

経団連会長もあいはらさんも、SNSを新しく始める動機は少ないのではないだろうか。

新規参入組にはSNSは必須

ただし、ネイビーズアフロのような若手芸人にはSNSは必須だ。新規参入組は固定客もいないし、ラジオもテレビもない。舞台やイベントがメインなのだから、出演する舞台やイベントをSNSでアピールし、手売りでチケットを売らねばならない。使えるものは何でも使ってアピールしないといけないわけだ。

おそらくあいはらさんも今若手だったら、SNSでもなんでもやっていただろう。

 

SNSをやっていない人にあえて勧める必要性はその人の今の状況によるのだろうね。

日本は人件費を増やすより、先にやることがある

吉野家が赤字転落というニュースがあった。

headlines.yahoo.co.jp

ネット上では「値上げしたらいい」という意見が多いが、過去に値上げしたことによって客離れを起こしたことがあるので、どうしても値上げは難しいという考えのようだ。

biz-journal.jp

で、吉野家が今後やろうとしているのが値上げではなく労働者の省力化だ。下記のニュースによると注文したものを自分でテーブルに持っていき、自分で下げるというスタイルの店を増やすという。丸亀製麺などはそのような形だ。私はこの方法に賛成だし、日本に足りないのはこの労働者の省力化だ。

www3.nhk.or.jp

人件費を上げても解決にはならない

吉野家がもし値上げをするとした場合、大部分を人件費に回すことになるだろう。採用のための費用、時給を上げる、引き止めのためにお金を出すといったことで、人を採用することになる。ただ、それは今の日本を見ると、間違っている判断だと思う。

下記は人口の推移に関するニュースだが、総務省によると生産年齢人口は6割を切るとのことだ。生産年齢人口の数は最新の数字が7484万3915人で、これは1975年の7583万9000人を下回る数だ。1995年には8726万人だったので、1300万人は少なくなっている。そのくらい人数が少ないのだ。人材採用にお金を回したところで、人がいないのだから意味がないのだ。

www.nikkei.com

総務省|平成29年版 情報通信白書|人口減少社会の課題と将来推計

そもそもの生産年齢人口がいないのだから、もし現状を変えずに人を入れようとするのであれば、他社よりも高い金額で引き抜くしかない。もしくは生産年齢人口に入っていない移民・65歳以上を雇うなどになるが、増やしすぎるとオペレーションに問題がでてくるだろう。

結局、値段を上げて売上が上がったとしても、人件費の高騰で利益は消えてなくなる。赤字を解消できるとは思えない。

省力化にコストをかけること

今や働く人々がそもそも少ないのだから、人件費を上げてなんとかして人材を確保しようなんて考えていては、会社はやっていけない。利益を残せず倒産する末路しかないだろう。特に飲食店などは人件費を大きく上げるとやっていけない。

となるとやるべきことは吉野家がセルフ方式を行うように、労働者の省力化であり、労働者一人あたりの生産性をあげることだ。セルフ方式にすればレジが一人、後はキッチンに2人ほどいれば、かなりの注文をさばける。仕事の内容も単純化できるので、労働者にとってもプラスだ。

飲食店ももっと省力化することは可能だ。例えば中国のマクドナルドはタッチパネルで注文し、電子マネーで支払う。でてきたレシートを持って、注文したものがでてくるのを待つという。こうすれば、レジを行うという省力化ができ、労働者も調理と商品を渡すだけでOKだ

orange-operation.jp

最近、スーパーでも少しずつでてきた半自動レジも省力化の一つだ。半自動レジを入れるとレジ打ちの人はお金のやり取りの部分を省力化できる。なのでひたすらバーコードを読み取る作業をすればいい。もしコンビニに導入されたら、店員さんはだいぶ楽になるはずだ。

省力化を阻むのは一部の消費者

このように労働者が省力化できれば、同じ8時間労働でも価値が高くなる。うまく行けば時給アップにもつながる。労働者にとってはプラスにしかならない。

しかしこの省力化を阻む人もいる。それは一部の消費者で「手渡しのほうがぬくもりがある」とか「機械では味気ない」とか言うわけだ。未だに手書きの履歴書じゃなきゃダメというのも同じだ。下記の鳥越さんはポジショントークだとは思うが、「電子マネーは嫌。現金やり取りのほうが会話があっていい」などという。

www.asagei.com

こういう人たちに対応していると省力化はできない。今までと同じようなやり方以外は認めないのだから。そんなことよりも今は吉野家ですら赤字なわけで、今と同じやり方が続けば倒産しかねない時代だ。であれば我々消費者も労働者が省力化できるように協力すべきだし、会社ももっと労働者が働きやすいようにすべきだと思う。

アマゾンの倉庫なんてホントに機械化しているんだけど、これを見て「非人間的だ」なんて思うのはもうやめるべきだ。今までのように必死になって倉庫を走るような労働が良いのか?

www.watch.impress.co.jp

人件費を増やす=やり方を変えない

結局のところ、人件費を増やすとか値段を上げるというのは誰でも思いつく案ではあるが、日本の現状にはあまり良い結果をもたらすとは考えにくい。人気費を増やしてもやることは同じであれば、そもそもの売上が増えることはない。システムも内容も変えないのに値段だけ上げれば、それは客離れを起こす。

人件費を増やすというのは一見、いいように思える。労働者にとってはプラスに見えるだろう。しかしそれよりも日本で行うべきはもっと機械化を推進し、労働者の負担を減らすことだろう。効率化によって増加した売上・利益を労働者にも配分するのが王道ではなかろうか。

つまり採用広告費をかけ、他社より高い給与で募集し、引き止めのために給料を上げる、そのようなことをするよりもまずは機械化にコストを掛けるべきなのではなかろうか

会社がIT化しない理由

私もウェブ業界にいるので、こういうのってもっとちゃんとIT化したらいいのにな~と思う。IT化することで生産性は上がるはずだからだ。

ただ、中小企業の社長の立場で考えると、IT化せずに手動で行うという判断はよく分かる。

なぜ中小企業は会社をIT化しようとしないのだろうか。

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理由1:従業員を他の仕事に回せない問題

1つ目が従業員を他の仕事に回せない可能性だ。今まで決まっていた仕事ならできるけれども、それ以外の仕事に対応できないという場合もある。IT化したあとは時間と労力が余るわけで、それを別の仕事に回すことが求められる。そのための仕事を嫌がる可能性もある。

IT化した後により効率的な仕事、付加価値の高い仕事をしてもらおうと思っても、そういう仕事ができない可能性もある。まぁ一人あたりにできる仕事の数を増やす、ということで付加価値を上げるということもできるだろう。

従業員がIT化に対応するかどうかは別の問題だ。もちろん経営者もだ。

理由2:新しい仕事を取れない・作れない問題

もう一つが新しい仕事をとってくる、もしくは新しい仕事を作れない問題だ。これは経営者にも従業員にも原因があるのだが、IT化することによって効率的になった場合、手が空くわけなので他の仕事をする必要が出てくる。

ただ、その仕事を取ってこれるか?新しいビジネスを作れるか?というと中小企業の場合は難しいところも多いだろう。新しい仕事を作ってチャレンジするだけのリスクを取るか?そしてそのリスクある仕事をしたいと従業員が思うか、それは企業によるとしか言えない。

もちろん既存の仕事の量を増やすということも可能ではあるが、それができるのであればIT化して効率的にするだろう。それをしないのだから、こういった可能性がある。

理由3:社長の成長意欲が乏しい問題

最後が社長の問題で成長意欲を持っていない場合だ。社長がどんどん会社を大きくしていこうと思っているかといえば、そうではない。年収1000万円を超えたし、経費を抑えるために外車を購入することもできるし、別にこれ以上大きくする必要ないやと思っている場合もある。

そういうときには社長はIT化をして効率的にしようと思わないだろう。手作業で時間がかかっても今のままでいいじゃない、と思うわけだ。アニマルスピリッツがあればいいのだが、最近は「成長しなくていいじゃないか」みたいな言論もよく聞く。それが経営者にも波及している可能性もある。

経営者の年齢も関係しているだろう。高齢になっていけばいくほど、そういったアニマルスピリッツはなくなっていくだろうし、年齢が若いとそもそもIT化するほどの金が無いといったこともあるだろう。

IT化=成長できる企業の証

結論としてはIT化するということはその企業が成長できる証でもあり、IT化に躊躇するということは成長を拒否する企業であるということだ。もちろん企業それぞれに事情があるわけで、それを外部がとやかく言うことは難しい。

とはいえやはり日本でも成長しよう!という企業が増えればいいなとは思う。