ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

「いい仕事をしよう」というインセンティブが働かない

アゴラで書いたエントリーだけど、なんとなくわかりにくかったかなぁというのもあった。なのであんまり読まれていないのだけれども、お上品に書きすぎたかもしれない。一応書かせてもらっている立場だし、変な書き方できないからね。

agora-web.jp

上記のエントリーは内容量が昔よりも少なくなった、という話だ。カントリーマアムは小さくなって数が減り、500mlの紙パックジュースは470mlに減っている。全体的に値段は変わらないが量が減っているものが多いのだが、その理由はサラリーマン根性のせいであるという主張だ。

もう一つ、はてブで結構スターをもらったのだが、契約書が昔からの古いものが使われていて、まったく改変をせずに捺印を迫ったという事例だ。結果的に受注した広告漫画家さんはその仕事を失注したのだが、まったく誰も幸せにならない結果になった。

後から出されたありえへん内容の契約書を、しっかり読んで流されずにサインしなかったハートの強い広告漫画家さんの話 - Togetterまとめ

これが日本のサラリーマン根性なしなんだよなぁ。楽できそうな方に無理を言いやがる。社内で上司や弁護士相手に契約書内容改定する手間をとるより、無理矢理サインさせるほうが楽と思ったんだろ。バカだよほんと。

2017/10/26 19:05

b.hatena.ne.jp

はてブに書いている通りで、これもサラリーマン根性によるものだと思う。契約書の変更というのは色々手間であることはわかる。会社の上役や法務担当、弁護士にも見てもらったりするだろう。出来たものを外注業者に見せたら「ここがなんとかならないか」と言われる。

結果、作っては上司や法務担当にOKをもらい、その後外注業者にチェックしてもらいということを往復することになる。非常にめんどくさい仕事であり、サラリーマンとしては避けたいという心情はわかる。さらに企業規模が大きければ、自分の会社を動かすのは大変だろう。私も一つの契約書を3ヶ月かけて作ったこともあるのでよくわかる。

画して「ここは面倒の少なそうな方に…」とフリーの外注業者に無理を通そうとしてしまうわけだ。この心情自体はわかるのだが、だからといって楽な方に流れていく事がいいわけではない。さらに言えば「いい仕事をしよう」と思わないことのほうが非常に問題だと思う。

いい仕事をしても出世しない、しなくてもクビにならない

そもそも「いい仕事」をしないといけないと思わないのも、日本の企業制度としては当たり前だと言えるかもしれない。そもそもいい仕事をしようともしなくとも、サラリーマンからしたら給与がもらえるわけだから、仕事の質をあげようというインセンティブなんて働くことはない。

上記の例で広告漫画家さんは断ってしまったわけだけど、これ単純におかしな契約書を巻き直して後から遡って契約したらいいだけだ。そのために担当の人は上司や法務担当に契約書の変更を申し出て、そして自分でその調整をしないといけないから大変だろう。でもそれが完了すれば、会社にとってもプラスだし広告漫画家さんにとってもプラスだった。

そういっためんどくさいことをせずにすべて放り投げてしまったために、みんなが不幸になってしまった。発注元も不幸、受注した広告代理店も、その下請けシステム会社も、広告漫画家さんも。みんなこの一つのことで不幸になってしまったのだ。

実際どちらの言い分が正しいか?誠実か?コンプライアンスに則っているか?など、あらゆる面から見ても広告漫画家さんの言い分が正しいわけだ。であれば、やはりちゃんと契約書を改定すべきだった。この担当者もダメだが、その上司すらもその責務を放り投げてしまった。

「いい仕事」をしていればみんながハッピーになれたのに、「いい仕事」をしなかったためにみんなが不幸になってしまった。が、ここで不幸になっていない存在というのが唯一いる。それがサラリーマンとしての担当者個人・上司個人だ。彼らはおそらくクビになることもなければ減給されることもなく、今も普通に会社に勤めているのではなかろうか。

彼ら個人からしてみれば、元請け会社と自社、そして広告漫画家さんが困ろうが自分の立場・職・生活は確保されてしまっているわけだ。そんな状況では本気になっていい仕事をしようなんて考える人のほうが少なくて当たり前だ。

それでもみんなでいい仕事をしようじゃないか

確かに合理的に考えればいい仕事をしなくてもいい、楽をしてお金を稼げるのだからそちらに流れてしまうのは仕方ない。私はフリーランスだから「いい仕事」をしないと次が回ってこない。だから自分が食いっぱぐれるので必死になって日曜の予定をキャンセルしてまで仕事をすることもある。

サラリーマンとは違うのはわかっている。しかしせっかく仕事をしているのだから、サラリーマンでもフリーランスでも、「いい仕事」をしてお金をもらいたいと思うものではなかろうか。8時間座っているだけよりも、8時間何らかの成果を出して会社や外注先、元請けに感謝されたほうがいいだろう。

もちろんそれは大変だ、苦労も多いし時間もかかる。しかしそれだけの苦労をしたらみんなの仕事は誠実さを増し、周りのステークホルダーも感謝してくれる。いい仕事を刷ることはみんなが笑顔になるというのはウソではないのだ。

いい仕事をしなくても給料は保証されているかもしれない。でも少しでもいい仕事をして、周りの人に貢献してみてはどうだろうか?仕事をする以上、そのくらいのプライドは持っていても罰は当たらないのではなかろうか。