ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

フリーランスに最低報酬を設定すると、何が起こるか?

フリーランスに最低報酬をというお話、これはフリーランスを中心に「そんなもんはいらん」という声が強い。確かに雇用されないで仕事をすると、最低報酬なんてないから毎月収入が入ってくるとは限らない。私もフリーで仕事をして法人化した3ヶ月は一切収入がなかったし、今もたまに収入がない月もある。

安定していないし心がモヤモヤしてしまう時もあるけれども、だからといって最低報酬を入れてほしいとは思わない。入れてしまうとメリットよりもデメリットの方が大きくなるだろう。

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ホームページ作成、なぜ価格が違うの?

例えばホームページを作成する際、どの企業に依頼をするからで価格が全く変わってくる。弊社でもコンペに参加した時、かなり金額が違うと言われたことがある。150万くらいで見積を出したが、他の企業は100万円を切る金額だったのだ。

もし最低報酬を決めてしまったら、それを上回るような金額を取りにくくなる。なんせお国が決めた金額を上回ると説明したところで通じなくなる可能性が高い。最低報酬を決めることで、その最低報酬に張り付きやすくなってしまう。

また価格を決めることが難しくなる。例えば同じチラシでも全国レベルの折込チラシと地域のポスティング用のチラシでは価格が違うだろう。他にもターゲットが年収の高い人と年収の低い人では全く商品・サービス価格が違うし、広告費も違ってくる。結果、価格を決めることが難しいのだ。

もし最低報酬を決めるとなれば、低い金額の方が使われることになるだろう。東京のラグジュアリーな方々向けのチラシは制作費が高くかかる可能性があるが、市区町村の小さなコミュニティで作られるチラシは制作費が低い可能性が高い。それこそ5000円や10000円くらいが制作費(印刷別)ではないか?

価格を決められない仕事が増え、多様化している

よく解雇規制緩和を唱えている人たちで「仕事に値段をつける」ということを唱える人が多い。例えばマクドナルドやコンビニの仕事は全国一律で値段をつけやすい。そこに地域のプレミアムが載るわけで、地方のコンビニバイトよりも東京のコンビニバイトの時給が高いのは地域プレミアムが上乗せされているだけだ。最近は人手不足によるプレミアムも少し乗っているが。

しかしフリーランスの仕事や雇用される人でも役職が高い方々の仕事は価格を一律で決めることができない。同じ部長としての仕事も大企業の部長と中小企業の部長では違うし、大企業でも業種によっては違う。さらに業績が良い時か悪い時かでもやることが違う。地域によっても違う。同じ価格などありえないのだ。

だからこそ「仕事に値段をつける」時にはそれぞれの仕事の値段を当事者同士で決定する。企業側と労働者側が交渉し、両者が同意すれば価格が決まる。それが給与となるわけだ。フリーランスも同じで価格を一律に決めることが難しい仕事が増えている。特にIT系やクリエイティブ系など、一律に決めることは不可能だ

最低報酬を決めることが難しい、反対だという声が大きいの当然のことだ。だってそんなもの決められないのだから。無理に決めようとすれば、必ず歪が出てくるだろう。

フリーランス社会保障は公平な制度を

最低報酬を決めることは私も反対ではあるが、逆に充実させてほしいと思うのは社会保障だ。雇用保険社会保険、厚生年金についてはフリーランス非正規社員と正社員では雲泥の差がある。同じ仕事をしていたとしてもサラリーマンだけが守られるというのは不公平だ。

本来ならこういった年金・社会保障と言うのは企業側に責任を負わせるのではなく、個人個人に課せられるものだ。正社員だから、パートだから、フリーランスだからと言って年金の金額が変わるのは明らかに不公平だし、国民保険が変わるのも不公平だ。最低限の保証は働き方にかかわらず行ってほしい。

また雇用保険ももう少し適用範囲を広めてほしい。雇用も大事だが、フリーランスで働いている人間にも研修や健康管理などが必要だ。そこに使えるようにもしてほしい。もちろん雇用保険料は払う。

フリーランスは不安定だが、最低報酬を決められたいとは思っていない。逆に社会保障については誰だろうが必要なものなのだから最低限を平等・公平にしてほしいものだ。