ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

日本は人件費を増やすより、先にやることがある

吉野家が赤字転落というニュースがあった。

headlines.yahoo.co.jp

ネット上では「値上げしたらいい」という意見が多いが、過去に値上げしたことによって客離れを起こしたことがあるので、どうしても値上げは難しいという考えのようだ。

biz-journal.jp

で、吉野家が今後やろうとしているのが値上げではなく労働者の省力化だ。下記のニュースによると注文したものを自分でテーブルに持っていき、自分で下げるというスタイルの店を増やすという。丸亀製麺などはそのような形だ。私はこの方法に賛成だし、日本に足りないのはこの労働者の省力化だ。

www3.nhk.or.jp

人件費を上げても解決にはならない

吉野家がもし値上げをするとした場合、大部分を人件費に回すことになるだろう。採用のための費用、時給を上げる、引き止めのためにお金を出すといったことで、人を採用することになる。ただ、それは今の日本を見ると、間違っている判断だと思う。

下記は人口の推移に関するニュースだが、総務省によると生産年齢人口は6割を切るとのことだ。生産年齢人口の数は最新の数字が7484万3915人で、これは1975年の7583万9000人を下回る数だ。1995年には8726万人だったので、1300万人は少なくなっている。そのくらい人数が少ないのだ。人材採用にお金を回したところで、人がいないのだから意味がないのだ。

www.nikkei.com

総務省|平成29年版 情報通信白書|人口減少社会の課題と将来推計

そもそもの生産年齢人口がいないのだから、もし現状を変えずに人を入れようとするのであれば、他社よりも高い金額で引き抜くしかない。もしくは生産年齢人口に入っていない移民・65歳以上を雇うなどになるが、増やしすぎるとオペレーションに問題がでてくるだろう。

結局、値段を上げて売上が上がったとしても、人件費の高騰で利益は消えてなくなる。赤字を解消できるとは思えない。

省力化にコストをかけること

今や働く人々がそもそも少ないのだから、人件費を上げてなんとかして人材を確保しようなんて考えていては、会社はやっていけない。利益を残せず倒産する末路しかないだろう。特に飲食店などは人件費を大きく上げるとやっていけない。

となるとやるべきことは吉野家がセルフ方式を行うように、労働者の省力化であり、労働者一人あたりの生産性をあげることだ。セルフ方式にすればレジが一人、後はキッチンに2人ほどいれば、かなりの注文をさばける。仕事の内容も単純化できるので、労働者にとってもプラスだ。

飲食店ももっと省力化することは可能だ。例えば中国のマクドナルドはタッチパネルで注文し、電子マネーで支払う。でてきたレシートを持って、注文したものがでてくるのを待つという。こうすれば、レジを行うという省力化ができ、労働者も調理と商品を渡すだけでOKだ

orange-operation.jp

最近、スーパーでも少しずつでてきた半自動レジも省力化の一つだ。半自動レジを入れるとレジ打ちの人はお金のやり取りの部分を省力化できる。なのでひたすらバーコードを読み取る作業をすればいい。もしコンビニに導入されたら、店員さんはだいぶ楽になるはずだ。

省力化を阻むのは一部の消費者

このように労働者が省力化できれば、同じ8時間労働でも価値が高くなる。うまく行けば時給アップにもつながる。労働者にとってはプラスにしかならない。

しかしこの省力化を阻む人もいる。それは一部の消費者で「手渡しのほうがぬくもりがある」とか「機械では味気ない」とか言うわけだ。未だに手書きの履歴書じゃなきゃダメというのも同じだ。下記の鳥越さんはポジショントークだとは思うが、「電子マネーは嫌。現金やり取りのほうが会話があっていい」などという。

www.asagei.com

こういう人たちに対応していると省力化はできない。今までと同じようなやり方以外は認めないのだから。そんなことよりも今は吉野家ですら赤字なわけで、今と同じやり方が続けば倒産しかねない時代だ。であれば我々消費者も労働者が省力化できるように協力すべきだし、会社ももっと労働者が働きやすいようにすべきだと思う。

アマゾンの倉庫なんてホントに機械化しているんだけど、これを見て「非人間的だ」なんて思うのはもうやめるべきだ。今までのように必死になって倉庫を走るような労働が良いのか?

www.watch.impress.co.jp

人件費を増やす=やり方を変えない

結局のところ、人件費を増やすとか値段を上げるというのは誰でも思いつく案ではあるが、日本の現状にはあまり良い結果をもたらすとは考えにくい。人気費を増やしてもやることは同じであれば、そもそもの売上が増えることはない。システムも内容も変えないのに値段だけ上げれば、それは客離れを起こす。

人件費を増やすというのは一見、いいように思える。労働者にとってはプラスに見えるだろう。しかしそれよりも日本で行うべきはもっと機械化を推進し、労働者の負担を減らすことだろう。効率化によって増加した売上・利益を労働者にも配分するのが王道ではなかろうか。

つまり採用広告費をかけ、他社より高い給与で募集し、引き止めのために給料を上げる、そのようなことをするよりもまずは機械化にコストを掛けるべきなのではなかろうか