ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

串カツ田中の全面禁煙は業績悪化の副次的要因である

2018年6月より全面禁煙にしたことで話題になった居酒屋、串カツ田中の既存店売上が悪くなっているという。5ヶ月連続の前年割れということで、既存店の売上が上がらずに苦しんでいる。もちろん新規店舗は伸びているので、会社全体でいれば悪くはないのだが。

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ただ、このことで「禁煙のせいで業績が悪化した」と言われることが多いが、本当だろうか?永江さんがそのことに反論しているが、居酒屋全体の業績が悪いから、禁煙は関係ないという。まぁそれを言ってしまえば、禁煙だから売上が伸びた、ということも言えないのだが…

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串カツ

串カツ田中の実際の数字を見てみる

では、実際の数字はどうなっているのかを見てみよう。日経でまとめられている串カツ田中の月次報告を見るのが早い。既存店の動きを見てみると、2018年6月1日から全面禁煙になり、それ以降前年比での客単価100%をずっと下回っている。実際にダイヤモンドの記事にも書かれているが、客単価が2400円から2200円に下がってしまっているとのこと。

なので、禁煙によって客単価が下がったのは間違いない。ただ、客単価が下がったとしても客数が伸びているのであれば、売上自体はあがる可能性は十分ある。全面禁煙が始まった2018年6月1日から見ると、9月を除いてすべて客数は100%を上回っている。全面禁煙だからということで、客数が大きく減ったことはないようだ。

客単価の悪化を客数でカバーしていたのだが、2019年4月から客数も100%を下回ってしまっている。ほぼ既存店でも100%を超えていた客数がなぜか2019年4月から下回るようになっており、業績悪化が懸念されているわけだ。

全面禁煙が業績悪化の要因であれば、2018年6月~12月も客数が減っていなければならないので、ここ5ヶ月連続前年割れの主要因が全面禁煙とは言えない

戦うマーケットの変化についていけていない?

そもそも論だが、ビジネスの良し悪しというのは必ず要因が複数あるものだ。例えば先月は1ヶ月に100万円の広告を売ったからうまくいったが、今月は同じ手法でもうまく行かないこともある。成功する方法も多種多様だし、自社だけでなく他社の動きももちろんあるため、簡単に「これが要因で業績が悪化した!」なんて言えるものではない。

串カツ田中の5ヶ月連続前年割れも同じだ。全面禁煙だけが要因なわけはない。他にもたくさんの要因がある。

要因は複数あるという前提で考えてみると、業績悪化要因の一つがプロモーション手法がズレているのではないか?というのが考えられる

例えば7月から行っているというキャンペーン内容がダイヤモンドの記事に書かれている。

 現状を打開するために、串カツ田中はサラリーマン客の回帰に焦点を当てたキャンペーンを7月から始めた。

 2個のサイコロを振って出た目の数に応じて、人気のサワーが無料や半額になる「チンチロリンサワー」。1枚500円で「田中で飲みpass」を購入し、提示すると1ヵ月間ドリンクが199円となるなど、サラリーマンが足を運びたくなるような施策を次々に打ち出している。

全面禁煙にすることでファミリー層が土日に来ることに成功したわけだが、平日のサラリーマン利用が減っているという。だから昔のようにサラリーマンに利用してもらおうということで、上記のキャンペーンを行うようだがファミリー層向けではない。そのため、逆に土日にファミリー層を逃してしまいかねないのではなかろうか。

串カツ田中は全面禁煙にしてファミリー層を取り込み始めたところから、戦うマーケットが居酒屋ではなくなっている。今まではワタミや鳥貴族が相手だったかもしれないが、今はファミレスでありイオンのフードコートが競争相手なのではないだろうか。そう考えれば、打つべき手も違ってくる。

いろいろな手段は考えられるだろうが、全面禁煙がここ5ヶ月の業績不振とつなぎ合わせるのは厳しい。もっと他の、そして複数の要因があるはずだ。